ブラボー青空文庫

青空文庫って知ってる?
http://www.aozora.gr.jp/
著作権の切れた作品をテキスト化して無料で公開している、自分にとっては神様のようなサイト。著作権に関しては、その作者の死後五十年で権利が切れるのだが、ソレは先進国中では日本だけで、主な国々では七十年が普通らしい。その二十年の差がかなり貴重だったりする。
詳しいことはよくわからないが....詳しく二十年の差による優位性を調べるヒマがあったら、一冊でも多く青空文庫を読むよ。
テキスト化する歳に難読漢字もマメにルビを振ってくれるので、昔読んで挫折した古典小説などを読み直すのにはグッドである。ちなみに今自分が読み返しているのは「黒死館殺人事件」ま、コレに関してはルビ振ってあってもワケわかんないが。たとえば森鴎外の「ヰタ・セクスアリス」コレは文庫で昔読んだときよりかなりわかりやすかったし、おもしろかった。
何故この様に青空文庫に突然はまってしまったかというと、去年の秋に買い換えた携帯電話に原因がある。最新式の携帯電話(とはいえ自分のはSH704iというすでに旧式)に変えたが、あまりに機能が多すぎて、ぜんぜん使えなかったのが、チョットずつ調べていくことによって、最近かなり使いこなせるようになってきたのだ。もっともフルブラウザとかiモードとか別料金がかかってしまうサービスはいまだにぜんぜん使わないが....
そんな中での機能で「ブックリーダー」というのがあり、要は電子書籍機能なのだが、txt形式のファイルが読み込めるのだ。すると先の「ルビ表示」も普通にできてしまい、携帯で小説が読めるのだよ。これがとてもいい。老眼で細かい字が見えにくくなった身には、大きめに表示できる携帯ブックリーダーがとても便利だ。コレなら老眼鏡がなくても普通に読める。何よりいいのがデパートなどでの仕事中だ。そんなに隙なくお客様が来るわけもなく、むしろお客が来るのを待つのが仕事なのである。そんなとき、いかにも「メールチェックしています」ってなふりをして、携帯電話で小説が読める。
コレはいい!!スゴクいい!!
そんなわけで、この青空文庫からダウンロードしてきた小説を携帯に転送して、暇な時間に読んでいるわけだ。著作権が切れた作品限定なので、必然的に古典作品になるのだが、すでに小栗虫太郎夢野久作の作品が、かなりの数青空文庫化されているので、自分的には宝の山である。
今回の川崎出張もヒマをもてあましまくり倒したので、ソレこそ始業から終業まで携帯で小説を読み倒してしまった。
ヰタ・セクスアリス森鴎外人間失格太宰治)淫賣婦(葉山嘉樹)白痴(坂口安吾)と読み進め、現在進行中が黒死館殺人事件小栗虫太郎)である。
またなによりいいのがtxt形式って、どんなに沢山のファイルをダウンロードしてきて携帯に転送しても、所詮txt形式。全くメモリーを消費しないのだ。現在2GのマイクロSDを使っているのだが、動画と音楽であふれかえりそうになっているところへ15冊分くらいの小説データを放り込んでも、全く無きに等しい分量なのだ。ひょっとしたら青空文庫の全部をSDカードに余裕で書き込めるのではないか?
そんなこんなで読み始めた青空文庫だが、今まで喰わず嫌いだった古典作品もちゃんと読んでみるとコレがすごくおもしろい。人間失格なんてむちゃくちゃ町田康じゃないか!!ヰタ・セクスアリスはなぜ発禁処分なのだ!!
とにかくスゴイ、素晴らしい宝の山の青空文庫。早速気になっていた作品「紅毛傾城」(小栗虫太郎)と、読了すると発狂する(自分はすでに読了してはいるが、特に発狂はしていない)と発行当時いわれた「ドグラ・マグラ」(夢野久作)また、その他、気になる古典作品を一気にダウンロードして携帯へ転送した。コレでどんなに長時間デパートでの仕事があっても、自分は強く生きていけれること間違いナシだ。
青空文庫万歳!!