「駿河城御前試合」南條範夫

いまさら言うまでもない人気漫画「シグルイ」の原作。
実はシグルイの方はちょこっと立ち読みしたくらいで、物語がどうなっているのかサッパリわからない。半裸の男女が血まみれになっているという漠然とした印象しかないのだが...マンガの方は多分原作をおいてきぼりにしてとんでもない境地に向かっているのであろう。とはいえ原作もむちゃくちゃ無情である。主な登場人物は11試合に出る22人なのだが、読了したら全員死亡でやんの。
そこまでやってしまったら、身も蓋もない無常観。
結局、君主がアホだと領民はやってられん〜と言うことだ。
それでもここの勝負。あるいは因縁。それぞれのドラマあり、人生を抱え、武士のメッツをかけての意地の戦いではあるのだが....なんかもうチョット救いのあるお話しにならなかったのかなあ〜(←それではこの作品自体が成り立たないでしょう!)
シグルイをちょこっと立ち読みした感じでは、数ある戦いの中での第一話「無明逆流れ」を過剰にふくらせまくっている気がしてならない。もっとも本作を通しておもしろい話といえば「無明逆流れ」と、被虐の剣士、間左衛門が活躍(イヤ切られっぱなしで死んじまうからぜんぜん活躍していない)の「被虐の受太刀」がおもしろかった。
でも登場人物、どいつもこいつもバカだなあ....
人間あまり一芸に秀でず、呑気にのんびり死ぬまで長生きするものこそが、真の人生の勝利者ではないかと思わせてくれる無常観満載の一冊でした。
で、おもしろかったの.....?.....う〜んよくわからん....?
とりあえず読んでみれば?

駿河城御前試合 (徳間文庫)

駿河城御前試合 (徳間文庫)