「オタクアミーゴスの逆襲」岡田唐沢民田直

ずいぶん久しぶりに出たオタクアミーゴス物だけど、サスガにこのインターネットでyoutube時代ではネタがすでに古くなっているとしか思えない。そんななかでも「愛壊れたジョッカー夫婦」というAV作品には何故か心惹かれるものがあった。全身ショッカーの戦闘員タイツを身にまとった夫婦の夜の生活を綴った...一体どういうフェチに向け?わけわからないAVである。
話のタネに観てみたいけど(←あ、自分むけか?)
あとは最悪の低予算アニメ「チャージマン研」コレはすでにyoutubeで画像が散々で廻っているのでそちらを観て欲しい。いまさら書籍で紹介されなくとも、オタクアミーゴスファンのようなサブカル人間ならみんな知っているはずだ。自分の場合は半年ほど前に乾狂太郎さん経由で知っていた。
本書でも唐沢氏が言っていたが、もう新しい物はいらないから...古い物だけを観るだけでいいから...といった達観がうかがわれるほど、現在のサブカルワールドは閉塞している。まあコレもyoutubeやニコニコのせいなのだが、それが悪いかといえばそんなことはなく、むしろサブカルの妙に高かった敷居が、万人に開かれたことを喜びたい。
敷居がたかった事で商売してきた方々にはご愁傷様だが。
それを考えると、近年の山本弘の新作ラッシュも納得できる。ご存じ山本弘といえば「と学会」の会長で、日本のサブカル大将といった人なのだが、近年はサブカルやスピリチュアル評論より新作執筆の方に力がいっているように思える。きっとコレはすでに終わってしまったサブカル批評というジャンルに見切りをつけ、本来の仕事である作家業へと活動の場をシフトしていった結果だと思うのだ。
しかも、山本弘は発表する作品がほとんど全部はずれナシにおもしろい。
というわけで、本書はそんなサブカル周辺の知識人に、最後の引導を渡した作品といえよう。コレでもまだ現状に気がつかず「オタクというのはねえ!!」などと偉そうに文筆活動が続けられるほど世の中は甘くないことを(と学会会長のように)早く気がつくべきである。
どうでもいいが、全く速読できない自分ですら30分ほどで読了できる本に定価(本体1381円+税)などという値段設定は言語道断だ。村上春樹の爪のあかを煎じて飲め。

オタクアミーゴスの逆襲

オタクアミーゴスの逆襲