「ヨコオ論タダノリ」荒俣宏

 読み終えてみて、どこかでこの本の内容を知っているといったデジャブに取り憑かれてしまった。しばらく考えてみて、その正体がわかった。確か半年ほどまえの「新日曜美術館」での横尾忠則特集と同じ内容だ。そういえばあの時のゲストも荒俣宏だった。そうかアノ特集はこの本を下地にして作られていたか。もっとも「暗夜光路」シリーズについてはあとがきでちょこっと触れただけなので、新日曜美術館の方が親切なつくりになっている。
 なんといっても「聞く耳を持たぬ画家の話」が圧巻である。耳をモチーフにした作品の解説なのだが、全然解説になっていない。そこで横尾本人に荒俣氏が解説を求めたところ、ますます解説になってない度合いが増えてしまった。

絵を描いていたらね、追悼になっちゃったの
校舎を建てるときに豊臣秀頼のドクロ(!)らしきモノが出てきた大学で、公開制作した作品なのだが、ひたすらオカルトな話に進んでいき、最終的には絶句するしかない作品が完成したとのこと。描かれた本人がこんな事を言うのだから、評論不能である。そして提示された作品を見つめて、この世には不思議なこともあるものだと納得するしか、我々凡人にはできない。
*[読書]「かくしてバンドは鳴りやまず」井田真木子
 すでに故人になっておられるノンフィクション作家井田真木子の絶筆。知っている人は知っている「プロレス少女伝説」の著者。自分もこれしか読んだことない。そのメルヘンチックなタイトルとは裏腹に、実に硬派、というよりヤクザな興行世界に逆らい続けた孤高の女子プロレスラー神取忍」一代記である。これを読んで神取ファンになった人、多数(俺だ俺)
 さて、「かくしてバンドは鳴りやまず」だが、すみません、斜め読みでした。なにせ取り上げられている人物が「トルーマン・カポーティ」「ランディ・シュルツ」「カール・バーンスタイン」「ボブ・ウッドワード」そして「きけわだつみのこえ」である。かろうじてカポーティの「冷血」だけは読んだことがあったのでついて行けたが、あとは「誰それ?」状態だった。そうなるとノンフィクションとはなかなか取っつきにくい文学である。沢木耕太郎の如く、わかりやすく人物紹介してくれたのなら、それなりに読めるのでしょうが、なにせ井田真木子さんの硬派な文章は、睡魔を誘ってくれます。
 ゴメンナサイ。いずれもっと読書修行したときに読み直します。ただ、亡くなる一年ほど前にかかれた「十四歳」という本があることを、この本を読んで知った。こちらはどうも面白そうなので、今度図書館で探してみよう。
*[暴言]かくして金欠
 機能に引き続き今日も豪遊...などできるわけもなく、おとなしくしていた一日。それでも気分だけでもと思い、国道沿いのお洒落なインテリア家具の展示場へ出かけてみた。値札を見ると目玉が飛び出るようなハイソな家具など、とてもうちには似合わない。素敵な二人の夢のお家なら似合いそうだが、一体どんな人が買うのだろうか?まさかと思ったが、盛況でお店の中は人であふれ返っていた。お金というのは、あるところにはあるのだなあ〜特に欲しくもないので、悔しくもないが...
 帰り間際にトイレを借りる。お店の外、倉庫の隣に急遽つくったと感じのトイレではあったが、シンプル感と気配り(赤ちゃんのおむつ替えスペースが手作りされていた)に好感もてた。また雨の中、店員が「お店までお使いください」と傘を差し出してくれたのは印象かなり良い。展示されている家具はキライだが...それはそれでいいか。
*[暴言]ところで健康ランド
 にて、久しぶりに体重計にのってみた。正月から禁酒止めたリバウンドが早くもてきめんに来ている。なんと4キロも増えているではないか〜ヤバイ。