澁澤龍彦集成1

 先週の東京出張の時も持っていたので、ようやく読み終えたという感じ。内容は三部に別れていて「黒魔術の手帖」「毒薬の手帖」「秘密結社の手帖」多分コレは三冊の本を一冊に合本した物であろう。一冊で三冊読めてお得。たった350ページほどなのだが、二段組に細かな字がビッチリあり、かなり手強かった。内容もサブタイトルが示すとおりなので、重いし。年号やら人名やら毒薬などの固有名詞がじゃんじゃんでてきて、記憶力皆無な自分の頭の中をヒューヒュー音をたてて通りすぎていった。
 つまり、内容が全く頭に残っていないということだ。
 それでもなにやら甘美で隠匿な耽美文学の雰囲気だけは感じました。いや、実際読んでいるときは面白いんですよ。記憶力がないから内容おぼえていないだけで、本当はスゴク面白いですよ。こういった猟奇物をもっとわかりやすく知りたい方には、唐沢夫婦の一連のマンガの方をお薦めする。
 澁澤龍彦ってえと、どっちかというと青春の通過儀礼といった感じが強いし、自分も数冊文庫(世界悪女物語など)で読んだことがあるのだが、ここまで分厚いとホント読み応えがある。なにせ、数ページごとに猛烈な睡魔がおそってくるので、読了するのにホント手間取った(←おいおい)
 しかし、教訓。わかりにくい物がつまらないとは限らない。