久しぶりのバローズ

 「金星の火の女神」これにて火星シリーズ終了〜おいおいまだもう一冊あるというのに、雰囲気はほとんど最終巻。もっともこの後の「金星の魔法使」には100ページくらいしか金星の話はない。その他には短編が数本。ならその百ページを無理矢理詰め込んで金星シリーズ全4巻にすれば良かったのに...昔の編集者のすることはよくわからない。
 さて肝心のお話の方だが、半漁人登場。どうも地球人ではなかろうかという女王が登場(この秘密はしっかり解き明かして欲しかった。尻切れトンボが悲しい)、アメーバ人間登場...アメーバ状の液体人間を想像していたが、そうではなく、アメーバの様に分裂して繁殖する人間...に、生きたまま博物館に展示される。超弩級陸上戦艦登場。こりゃあきらかに「キングゲイナー」のモトネタにちがいないとおもえる陸上戦艦の大艦隊による激しい戦闘である。エクソダソだね。奇妙な人間達がゾクゾク登場するあたりなどは先日読んだ「人外魔境@小栗虫太郎」を彷彿させるようだが、人外魔境の方は途中からスパイ小説のようになってしまうのとはちがい、あくまで奇妙な金星人間を執拗に描写しているところに...またそのようなことが思いつくところに、あきれるくらいの想像力を感じてしまうのだが。バローズはスゴイや。
 そういえばバローズの火星シリーズを全巻制覇した訳じゃなかったことにきがついた。途中「秘密兵器」「合成人間」「透明人間」の三冊を読んでいない。確か地元図書館には欠品があったんだよな〜また「火星の交換頭脳」のような内容どころかタイトルまで素敵にイカレている小説が読みたい。