ついに読了

 長い長い出張中に、ついに読み終えました。長年の懸案だった日本探偵小説界の奇書。めくるめくペダントリー(ペダントリーってなんだ?)数年前に読もうと思って挑戦したが、あえなく途中で挫折してしまった、脅威の本「黒死館殺人事件小栗虫太郎
 何はともあれ一言だけ、一言だけいわせて欲しい....「さっぱり訳がわかんねえよ」
 今回の小田原出張での読書の共に選んだはいいが、あまりの奇書ぶりに途中で何度か投げ出しそうになった。半分を読み終えたあたりから、良い悪い、わかるわからないは別にして読了することが自分の義務ではないかと....妙な使命感にかられて...きっちり読み終えました。そこには意外な犯人も、意外なトリックも、なにもない。正直「犯人なは誰でもいい」という結末である。そして本編で重要になるであろう暗号...らしき、奇妙な翻訳?なんだか訳の分からない文字列。言葉遊び?それを解読すると、また現れる二重の暗号?暗号らしきモノ?その結果導き出された真犯人...真犯人か?...その方法論でいくと、犯人は誰であっても、その方向へ誘導できる。推理(すでに推理ではない)の彷徨...これは、ほとんどトンデモ本である。トンデモ本で自分の独自のとんでもない理論を、過去の文献の超越的解釈でこじつける方法論である。
 なぜか当時はこのトンデモ探偵小説が、探偵小説界を飛び越えて、日本文壇に衝撃を与えていたという事実...鑑みるに、この「黒死館殺人事件」こそ元祖トンデモ本と認定してもいい書物である。
 わけがわからず、とてつもなくつまらない本なので、読まないでください。好事家の方は必読です。
 ...自分は好事家なのであろうか?