「阿修羅ガール」舞城王太郎

舞城王太郎といえばライトノベル界の帝王というイメージがある、偏見の固まりの自分。名前だけは知っていたが、今回初めて読んでみた。第十六回三島由紀夫賞受賞作なのだそうだ。よっぽど対抗作品がなかったと思える。なかなか痛々しい小説ではあるが、この程度の痛々しさなど所詮ファッションペイン(なんじゃそりゃ)門田先生の持つ超常的ナチュラル痛さかげんに比べたらあまいあまい(てか、門田はもうええっちゅの)
割とかわいらしいカバー。ちょっと屈折青春ミステリーくらいに考えていたのだが、これが甘かった。確かにかなり過激な表現で、暴力満載精神分裂気味少女のほろ苦いというより、とんでもない青春恋愛小説の新形態かな?くらいにしか思っていなかったのっだが...後半ストーリーが破綻します。いや、ひょっとしたら破綻していないのかもしれないが、難解でも三島賞にふさわしい内容だったのかもしれないが、少なくとも自分はストーリーに完全についていけなくなり、振り切られてしまいました。
訳のわからない超常的な現象は、きっと主人公の彼女が臨死体験しているんだなとはうすうす感じたが、それが一体なのを意味しているところであるか、作者の意図がサッパリわからなくなる。
とりあえず自分はライトノベルなんかはほとんど...いや滝本竜彦は読んでいるが...あ、そういえば十二国記も...読んだことがないにもかかわらず舞城王太郎の名前を知っていたのだから、あきらかにこの時代をリードしているライターに間違いないはずなのだが、今回手に取った阿修羅ガールからは一体どこがそんなに支持されているのかサッパリわからず、また一つ解き明かさなくてはならない謎が増えてしまった。
てか、この小説はライトノベルなのか?
ちなみに他の謎とは「なぜ黒豹シリーズはあんなに続いているのか?」「なぜ千里眼シリーズはあんなに続いているのか」である。ま、どちらももう少し読み込まないとわからないことではあろうが...この2シリーズはもうすでに読み込む気力が萎えた。しょうがないから舞城王太郎の謎でも解くために彼の小説を少し読み込んでみようかな。

阿修羅ガール

阿修羅ガール