「超人計画」滝本竜彦

本書に登場する薬物の多くは2006年現在、その大半が違法薬物に指定されており、なおかつ安易な使用によって肉体及び精神に多大なダメージを与える可能性があります。くれぐれもご注意ください。
巻末には編集者からのご注意が、ご丁寧に記載されてある。作者的にはもう手おくれなんですか?
文庫版後書きによると、彼はこの本が出版されてすぐ、転がり込んできた彼女とめでたく結婚されたそうではある。
滝本竜彦。小説家。というにはあまりに作品が少なすぎる。第一作「ネガティブハッピーチェンソーエッジ」第二作「NHKにようこそ」(皆さんご存じ!)そして第三作が本書だ。たいていハードカバーが出版されてから最低でも三年は経たないと文庫化されないのだが、この間彼は一冊も小説を発表していない。他のオタク系サブカル本などにたまに話題になる滝本竜彦だが、ソレによるとどうやら書けなくなってしまっているようだ。有り余る才能をフルスイングでドブにすてるつもりだろうか?
本書はエッセイ集である。ソコは彼のことだから当然普通のエッセイではない。彼の脳内彼女(?)である、押し入れの中にすんでいる「綾波レイ」(今更説明不要)との掛け合いで話が進み、とうとうラスト近くでは作者は放っておかれて、この脳内彼女レイちゃんがノートパソコンでテキスト打ち出すという始末だ。
超人計画と言うよりは廃人計画だ。
いや、本当はもっといろいろ言いたいことが山のようにあるのだが、あまり激烈に書きすぎると...本書によると、滝本竜彦氏は、自分の名前を検索エンジンで調べ、ヒットした件名をほとんど読みあさり、その内容に激しく一喜一憂しているらしい....ですから、この辺でやめておきます。
でも最後に一言だけ。お願いだから小説を書いてください。お願いします。
超人計画 (角川文庫)

超人計画 (角川文庫)