「カラマーゾフの兄弟 上」ドストエフスキー

ようやく上巻だけ読み終えた。この後、中巻、下巻と続くのだが、一体いつになったら読了できるのか、先が思いやられる。何故これほどに時間がかかるのかといえば、猛烈な睡魔に襲われてしまう。コレにつきる。何せ30ページも読むと熟睡できるのである。単純に600ページあるとして、一冊読むのに20日...イヤ、いくら何でもそこまではないが、たとえば休日などは睡眠と読書を数回繰り返しながらようやく100ページ読むといった感じだ。
そんなに難しいか?そんなにつまらないか?
イヤイヤ、そんなことはちっともなく、むしろはまりそうなおもしろさなのだ、これが。どうも入眠作用とおもしろさは関係ないようだ。とりあえず長いつきあいになりそうな予感。
前回読んでいた岩波文庫版はあまりに難しすぎて、途中で放り出したが、それで正解。今回の新潮版は実にわかりやすい。わかりやすいなりに、あまり安易な文体まで(たとえばアカデミー出版超訳)わかりやすくはしていないところが実によい。
ようやく話の全貌がわかり始めたよ(←おいおい)
つまりカラマーゾフ家にはフョードルというろくでもないオヤジがいて、その子供の三兄弟がいて、その中でも長兄のドミートリイとこのオヤジが、一人の女、グルーシェンカを巡って対立するという(親子でするか普通)出だしから、このドミートリイの自称婚約者ってのがでてきて、それにどうやら恋しているらしいのが次兄のイワン。だが、あっさりふられ、国外に旅立とうとするときに、弟のアリョーシャ(彼がこの物語の主人公)に自らのキリスト教観を自作の叙事詩に込めて語り出す(多分コレは作者の宗教観だと思うのだが?)いささか冒涜気味にキリストを語った後、アリョーシャに見事に切り替えされて、何だかカタルシスっぽく去ってゆく...
と言ったところまでが新潮版の上巻の物語だと思うのだが、いかがだろうか?
ま、半分寝ながら読んだので、誤解とか合ったところはご勘弁を。
それにしても、ことごとく友達になりたくないような嫌な人物ばかりが登場する物語である。確かこの後は、父フョードルが殺害されて、犯人として長兄ドミートリイが捕まり、裁判となり、その弁論が中心となっていくようなのだが、続きを読んだらまた感想を書こう。

カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)

カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)