「ミノタウロス」佐藤亜紀

新潟県栃尾(現長岡市)が産んだ日本一の暴言女王作家でもあり、某大学で講師もされている大女史であり、本当に背の大きい(←おい)佐藤先生の最新作である。さあ読め!!
先生の第二作である「戦争の法」の、まるで裏サイト的な作品。舞台を革命まっただ中のロシアに置き、よりパンクに発展させた暴走する文学である。登場人物が主人公含め、誰一人感情移入できるようなまともな人間がおらず、どいつもこいつも破滅に向かって一直線ファックユーなストーリーである。何かがかの先生の中で吹っ切れてしまっているのではないかと思えるほどのブチ切れぶりで、以降のご活躍がとても楽しみな一ファンでありました。
実は読了してからかなり時間が経ってしまったので、自分も妙にテンションが下がってしまい、本書の迫力をうまく伝えられずに困っているのだ。何せ、主人公の名前がどうもわからないのだ。一人称で語られた物語でほとんど主人公の名前が呼ばられる描写がないので、無理はないと思うが...自分は一体ナニを読んだのであろうか?
とりあえず人の女は寝取るは、逃走中に捕まりカマ掘られるは、盗んだ飛行機で一旗揚げようとするは、殺されるはで...とにかくパンクである。チョット難しい町田康だと思ってくれて良いのでは?
先生から「知った風の口をきくな!」と三船敏郎風にどなられそうだ。

ミノタウロス

ミノタウロス