「罪と罰」ドストエフスキー

先日、新聞の社説で「ドストエフスキーは二十代で読まなくてはいけない。読み直すのは四十代でもできるが、初めて読むのは二十代でなくてはならない」とまあ、かなり強い感じで書かれていた。自分は四十半ばで初めて読んだんで、ぜんぜんダメダメだ。
余計なお世話だ。
主人公のラスコーリニコフは金貸しバアさんとその妹を、余りに貧乏すぎて頭がおかしくなり、独善的な理論に基づいて殺害してしまう。そこからはじまるラスコーリニコフの地獄巡り青春期。罪の意識にさいなまれるというより、ほとんど熱病のごとき狂気。ソレこそが罪に対する罰なのか。話はそれからヒト癖フタ癖ある人物であふれかえる。
ラスコーリニコフの美貌の妹、ドゥーネチカ(ドーチャ)を巡り暗躍する怪人物。彼女との結婚を条件にラスコーリニコフを援助しようと申し出るイヤな男。ぼけた振りをしていて、事件の真相をしっかり看破してしまっている警部。夫の不慮の死で狂騒にに身をゆだね死んでゆく肺病の継母と、その母と幼い兄弟達の生活のため働く娼婦。
混乱のゴッタ煮、闇ナベ状態。一体どこへ向かっているんだ、救いはあるのか?
そんな中だからこその救い。圧倒的な救い。泣けました、いや、マジ泣けました。ちゃんと二十代で読んでおくべきだった....
で、その後に同じくドストエフスキーの「悪霊」を読んだのだが...ダメだ。四分の一ほど読んだところで挫折。話が頭に入ってこない〜とほほ。

罪と罰〈上〉 (新潮文庫)

罪と罰〈上〉 (新潮文庫)

罪と罰〈下〉 (新潮文庫)

罪と罰〈下〉 (新潮文庫)