「動物農場」ジョージ・オーウェル

子供達のための共産主義入門。
オーウエルというと「1984」が一番有名だが、確かコレも、どこかの国の誰かがアニメ化していて結構有名だとおもったが(なんじゃそりゃ)1984はかなりSFっぽかったが、こちらはもっと寓話的。子供向けとかいったけど、ぜんぜん子供向けじゃないです。全く救いがないヒドイ話である。なるほどいかにしてソビエト共産党がいつの間にか共産主義とは似ても似つかぬ独裁国家となってしまったかというのが実にわかりやすく書いてある。
農場で人間に支配されていて労働力を搾取されまくっていた動物たち。その中で皆の尊敬を集める一頭のブタが人間支配から自由を動物たちの手にしようという夢を語っていた。やがてこのブタの死をきっかけに、他のブタたちを中心に農場の動物たちが一致団結して人間を追い払い、動物たちが自治する理想郷をつくりあげたのだが...やがて戦いの中心だったブタグループ達が他の動物たちを支配しはじめる。ところがブタグループも内部抗争が起こり、それに勝利したブタが農場の全権を握る。
その後も近隣人間との闘争や自然災害などで、何度も農場は危機的状況に陥るのだが、ソレごとの権力ブタは事実を隠蔽、改竄などで、支配力を強めていくのだ。気がつくと農場は人間が支配していた時よりもヒドイ状況になってしまっている。
身も蓋も救いもナニもない物語だ。子供達に読ませてはいけない。

動物農場 (角川文庫)

動物農場 (角川文庫)