「MM9」山本弘

MMとは「モンスターマグニチュード」の略である。度重なる怪獣の襲来を自信などと同じ自然災害ととらえ、その怪獣の規模をしめす指標だ。台風みたいな扱いだ。というわけで気象庁が管轄となり、日夜怪獣被害を最小限にするべく活躍している「気象庁特異生物対策部」通称「気特対」の物語だ。怪獣は出てくるが、異星から来た正義のヒーローが登場するわけではないので、怪獣駆除はもっぱら自衛隊の仕事だ。気特対はその怪獣の対応を検討する組織であって、兵器を持っているわけではない。あとは出現順に「怪獣一号」「怪獣二号」と呼ぶのだが、まるで台風のようだ。一号二号じゃ味気ないので、必ず怪獣のなまえをつけるシークラウドとかグロウバットとか...ジェーンとがジェシカとか台風に名前をつけるのに似ている。例によって山本弘なので、怪しい科学理論(と学会会長だもんね)を駆使して、質量保存の法則を無視して巨大化する怪獣たちが大暴れ!どちらかというと気特対は対策が後手後手気味で世間からは批難を浴びることしばしばなトホホな組織のようだ。
ここのところ刑務所ものとかドフトエフスキーとかカフカとか、クソ難しい本ばかり読んでいたので、たまにはな〜んにも考えないで読めるのがよいなと思って借りてきた。
ラストで最強怪獣と巨大少女(全裸)が地球の運命をかけて戦うところなんかは、作者の趣味丸出しの描写に違いないと密かに思っている。(←おいおい)

MM9

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