「失われた古代大陸」黒沼健

「この度本邦お初にお目見えになりました驚異の歴史本。この世界には五つの大陸がありますが、実はその前にも他に大陸がありました。ある日一夜にして海底に沈んでしまい、歴史の表舞台から消えてしまったのです。その大陸の名前を...アトランティス!!」
そんな口上があったかどうかは知らないが...
ムーでもレムリアでもいいが、どうやら本書こそが日本ではじめて、これら沈んでしまった古代大陸の伝説を紹介したものではないかと思うのだ。
他にも「アマゾン海」(アマゾン川ではない)「マヤ文明」に「地球空洞説」などなど絢爛豪華な新理論が紹介されている。本書がなければ現代のオカルトブームもあり得なかったであろう(←そうか?)
かなり古い本で、現在では入手困難であり、自分も古本屋で定価の三倍以上の値段を出して買ってしまったが、ソコまでして購入する価値がある本かというと....う〜ん....唯一価値を見いだすといえばこの作者「黒沼健」あまり聞き慣れない名前であろうが、あるマニアの間ではかなり有名な人物なのだ。
ラドン」の原作者である。
ラドン観たことある?ありゃスゴイおもしろいよ!!謎の怪物が九州の炭坑の坑道にあらわれて人々を襲い始める。この恐怖の怪獣とは「メガヌロン」しかもこいつはラドンの幼鳥のエサなのだ。ってことはラドンってのは、どんだけ!!
とまあ、あらすじはこんなところだ。そんな傑作をものにする作者であるから、本書もおもしろいと思ったのだが、そううまくはいかないものである。
まあ、失われた大陸伝説をはじめて日本に紹介した本としてなら、かなり歴史的価値があるのかもしれない。

失われた古代大陸 (新潮文庫)

失われた古代大陸 (新潮文庫)

今はじめてアマゾンで探してみたら、やっぱり廃版。しかし中古が1円から売られていた。
ショック!!