「マラコット深海」コナン・ドイル

ホームズで有名なコナン・ドイルであるが、SFでもかなり名を馳せていたのである。代表作はもちろん「失われた世界」ロストワールドである。ギアナ高地の秘境には進化の歴史から取り残された恐竜時代があった。たしか昔読んだような気がするのだが、NHKの「青春アドベンチャー」っていうラジオドラマでやっていたのも聞いていたので、どっちの記憶だか定かではないが、ストーリーだけは細部にわたってよく覚えている。
そんなドイルのSFシリーズだが、ロストワールドの他にもいくつかあり「マラコット深海」もその一つである。
鉄製の溶接された四角の箱に乗り込んで、海底を探検しようとしているのが、タイトルでもあるマラコット教授。さていざ海底へ潜り始めたら、嵐に遭ってしまい、箱は海底へと沈没してしまう。ところが何百気圧はあろうかという海底なのに、ボンベ担いだ人間達がたくさんやってきて、探検隊を助け出すではないか。何とこの海底には海水の圧力が存在しないのだ。助け出されて驚いたことに、彼らはアトランティスの末裔であった。そう、あの失われた大陸で、その存在をプラトンも指摘していたというアトランティスだ!!
...また、アトランティスか...ヽ(´ー`)ノ
ま、それは良い。そこで助けてくれた一族の長老に会うと、彼の名前が「マンダ」
...ええと、どこかで聞いた名前だ...ヽ(´ー`)ノ
その話によると、アトランティスは沈んでしまったが、それを予測していた科学者がおり、彼はたとえアトランティス大陸が沈んでも生活に困らないようないろいろな技術を準備しており、それ故、彼ら海底アトランティス人はこうして深海に今も暮らしているのだと。
...荒唐無稽の極みだな...
本編のマラコット博士を初めとする一行は、そこで吃驚な科学技術をまのあたりにするのだが、それよりも吃驚する事件が起こる。
話になんの脈略もなく突然、謎の邪悪神が登場する。そこでどうなるかというと、マラコット博士に、やはりなんの脈略もなく突然正義の神が憑依した。そこで正義と悪の戦いが(ほんのちょっと)おこなわれ、めでたく正義が勝ちチャンチャン。
...なんじゃそりゃ?
まるで最近みた変な映画の(←いや、それはもういいって)
とりあえずアトランティスは永遠に不滅です〜みたいなお話しでした。
最近何冊か作品を読んではいるが、なんかコナン・ドイルってひょっとしたら「お利口」と「お馬鹿」と二人いたんじゃないか?

マラコット深海 (創元SF文庫)

マラコット深海 (創元SF文庫)