入門書としてはどうか?

 「物語の体操」大塚英志読了。将来芥川賞をめざすでもなく、しかしそれでいて文筆業への就職を(仕事として)希望して、そのノウハウを取得したい人たちへの入門書第一巻(二巻以降がでる予定はない)自分の創作欲求を満足させるため、あるいは、社会に問題定義をおこしたい、などなど深い文学的欲求など無くとも、いやむしろそれとは全く関係なく「文章を書く」「物語を紡ぐ」と言うことを職業としている方々が沢山にて、現に自分もかれらの作り出す作品を心から堪能していたりするのだ。なにも恥ずかしがることはない。書きたいことがあるが、小説を書いたことがない。小説家になりたくて何度か公募ガイドを買ってきては一行も書けずため息ついている人。あるいはこの本「物語の体操」を手にとって読んでみようかという人(俺だ俺)には、まさにバイブルのような一冊。メカラウロコガオチマス。
 実際に著者がかつて講師をやっていた専門学校の生徒が書いた「課題」と呼ばれる小説プロットはかなり素晴らしく。この先生(大塚英志多重人格探偵サイコ」「木島日記」の原作者)についていったら、ジュブナイル小説家としてデビューできそうな気分にさせてくれる(大丈夫か?)
 かなり村上龍リスペクトで、実際授業の課題では「五分後の世界」をテキストに出題している。きっと本の出版時期が一緒だったのであろう。いまなら「13歳のハローワーク」がテキストに成っていることであろう。
 よし、自分も一丁小説でも書いてやるか(←やめとき)