「アンドリューNDR114」アイザック・アシモフ、ロバート・シルヴァーバーグ

もともとはアシモフの「バイセンテニアルマン(二世紀生きた男)」をシルヴァバーグが長編化した作品。実は元になった小説を高校時代にSFマガジン紙上で初出したときに読んだコトがある。とてつもなく感動した。今回も感動したことは感動したのだが、困ったことに、シルヴァバーグがいったいアシモフ版のどこを長編化したのかサッパリわからなかった。確かアシモフ版は100ページほどの短編だったと思ったが、ソレと全く同じ内容にしか思えないのだ。本書の解説によると「シルヴァバーグはアシモフの一行を三行に増やす作業をした」といった中傷めいたことが書かれていた。多分その通りなのだろう。アシモフ自体は晩年のファウンデーションシリーズやロボットシリーズの大長編以外は、ほとんど短編しか書いてなく、長編は数えるほどしかなかった。
そういえばアシモフの科学解説本がかなりおもしろくはまったことがあった。どちらかというとそういった科学的見地から見たアイディア一発勝負な作家だったのだろう。
あまり堅いことは言わず、本書は大ヒットした映画の原作なのだと割り切って読むことを勧める。
アシモフ版の「バイセンテニアルマン」は短編集「聖者の行進」に収録されているそうだ。

アンドリューNDR114 (創元SF文庫)

アンドリューNDR114 (創元SF文庫)