読書

「賭博者」ドストエフスキー

怒濤のドストエフスキー三連発。自分は最近ドストエフスキーしか読んでいないのか?はい、その通りです。しかもこの本は地元図書館になく、遠く東京千住の区立図書館や、長岡の中央図書館など、行く先々の図書館の蔵書をその場で読了するという、自分的には…

「貧しき人びと」ドストエフスキー

文豪ドストエフスキーの処女作にて出世作。幸薄い貧しい男女が往復書簡という形で物語を綴るというかなりの意欲作。雰囲気は先日読んだ「白夜」に似ていなくもないが、こちらの方が圧倒的に素晴らしい。ま、どちらも救いがないことではあるのだけれど...救い…

「悪霊」ドストエフスキー

自分はもうすぐ47になるんだよね。世間的にはいいオヤジだよ。 そんな自分がまさかこの年になってドストエフスキーにハマルなんて、どれだけ遅れてきた文学青年なんだか。別に文学青年ぶっているんじゃなくて、おもしろいから読んでいるだけで、どうこう言わ…

「賭博覇王伝零 第八巻」福本伸行

なんだかんだとおもいながらもうよむのはやめようかとおもいつづけるふくもとさくひんちゅうのいっぺん。 最近読んだマンガの中では一番の衝撃作!!まさかこんな展開になるとは誰が予想できたであろうか!! 良い悪いは別にして。 テレビ版エヴァンゲリオン…

「神秘家列伝 其ノ弐」水木しげる

「神秘家列伝 其ノ壱」は地元図書館でかなり昔に読了済みで、うっかり続きがなかったモノと思っていたのだ。最近ブックオフで文庫を見つけて購入してしまった。四人の神秘家のお話し。阿倍晴明、長南年恵、コナン・ドイル、宮本外骨...やっぱりコナン・ドイ…

「変人偏屈列伝」荒木飛呂彦 鬼窪浩久

普段は文学青年(中年)のふりをしているが、たまには漫画も読む。今回読んだ漫画はコレ。ハードカバーで箱入り仕様の¥1,800(税込み)だっ!!ご存じジョジョの作者として有名な著者が長年書きためていたシリーズをまとめたもので、ま、週刊誌連載を持って…

「ヴァーミリオン・サンズ」J・G・バラード

http://www.asahi.com/obituaries/update/0420/TKY200904200043.html まさか訃報がでたとは。 実は先週の日曜日にこの本を読了したばかりだったので、あまりのタイミングにビックリした。もちろんすでに絶版ではあるが、この機会に再販されるといいなあ。げ…

「The Book」乙一

ご存じ「ジョジョの奇妙な冒険」第四部のスピンオフ小説である。ひょとして若者達の間では大評判だったのだろうか?市立図書館のベストリーダーに選ばれていたので、ちょいと借りてきた。 ジョジョは第一部からずっと、現在のスティールボール・ランまで読み…

「願い星、叶い星」アルフレッド・ベスター

「ゴーレム100」を読了したときに、もうベスターはやめようと思ったのに。図書館で見つけてつい借りてしまった。翻訳されるのが50年くらい遅かったような短編集。というか創元社の「ビー・アイ・マン」に載っている短編の半分くらいが新訳ではいっている。そ…

「ゲゲゲの女房」武良布枝

ここのところ二段組800ページの大作とか古典の名作とか、やたらと肩の凝る本ばかり読んできたので、この辺で軽〜い本が読みたいなあと思った。 タイトル見れば一目瞭然、ゲゲゲの女房こと水木しげる大先生の奥様の手による半生記だ。この手の作品で有名なモ…

「ドラゴンフライ―ミール宇宙ステーション・悪夢の真実〈上〉〈下〉」ブライアン・バロウ

以前にコレと間違えて「絶対帰還。」を読んだが、今度は間違いなく本書を読んだ。二段組み800ページあまりある分量にヘキヘキしながらも、出張中に何とか読了。ま、一ヶ月以上も図書館に延滞してしまったけれど。 ミールの有人衛星ミッションはロシアが主体…

「赤と黒」スタンダール

たまに名作づいて読むことはあるが、コレは最近読んだ名作モノの中ではもっとも自分に合わない作品である。うわ断言しちゃったよ。 小さな街の木こりの子として生まれ育ったジュリヤンは、聖書を丸ごと暗記できるほどの驚異的な能力と、女性がほおっておかな…

「火星の人類学者」オリヴァー・サックス

こんな怠惰な日々でも、ヒマを見つけては読書している。 20年くらい前の映画で「レナードの朝」というロバート・デニーロ主演の映画を知っているだろうか?恥ずかしながら自分も未見だが、その作者が書いた科学エッセイがこれだ。確か何年か前に新聞の書評で…

「絶対帰還。」クリス・ジョーンズ

またやってしまった。本当は「ドラゴン・フライ」(旧ソビエトの宇宙ステーション「ミール」のお話)を読もうとして間違えてしまった。あまりにもこういう事が多いので、図書館で本を借りるときは、少し調べて借りようと思う。 でもまあ、コレもそこそこおも…

「蟹工船・党生活者」小林多喜二

去年あたりから書店で平積みになっているのをよく見かけたが、いよいよ日本も大変だという今年になってもう一回読み返してみた。初めて読んだのがいつだったか思い出せないが、確か荒俣宏の「プロレタリア文学がスゴイ」だった?を読んだとき、その流れで借…

「三月のライオン」羽海野チカ

出ていることは知っていたが、いつものツタヤでなかったものだから困っていた。市内にある一番大きな書店へ行ったら平積みされていてあっさりゲット。今度のはどうもハチクロとはちょっと雰囲気が違うなあ。 恥ずかしながらタイトル「三月のライオン」の意味…

「出星前夜」飯嶋和一

前作「黄金旅風」からどれくらい経っただろうか、ようやく新作が出た飯嶋和一。もっとも出たの去年の夏だが、図書館で貸し出しの順番を待っているうちにこんなにたってしまいました。いっぺんに読んでしまうのはもったいないので、毎日一章ずつ読んでいたの…

大晦日、今年の三冊

今年も今日でおしまいってことで、今年読んだ本の中で自分のお気に入りの三冊を選んでみよう。いろんな人がやってそうな、ありがちな企画だけど... 「モンテ・クリスト伯」アレクサンドル・デュマ 大長編だったけど、一気に読めるおもしろさ。コレは歴史が証…

「人は食べなくても生きられる」山田鷹夫

啓蒙する過激思想家。 つまりはクルクルパー。 半分ほど読み進めたところから「これは不条理小説だ」と思いこみ読む。すると、それなりに結構おもしろかったりする。もちろん実戦するわけない。うっかり本書に啓蒙された迷える子羊ちゃんたちはご愁傷様だ。…

「変身」カフカ

自分の読書において、とにかくカフカは途中挫折が多い。短編でもだ。でも変身は読んだ。不条理だがおもしろかった。カフカ読んではじめておもしろいと思った。 角川文庫版なので、オマケに「ある戦いの描写」ってのが収録されている。さっぱりわからん...い…

「異邦人」カミュ

ご存じ「太陽のせい」で人を撃ち殺しちゃった話。 そのくらいしか知らなかったものだから、もう少し知ろうと何となく読み始めた。最近は古典名作と呼ばれる本をよく読む。作に読んだ「白夜」もそうだったが、この本も120ページほどの非常に薄い本だ。すぐに…

「白夜」ドストエフスキー

ドストエフスキーといえばカラマーゾフの兄弟のようにやたらと長い小説ばかり書いている人というイメージが強い。でも本書のような短編も書いていたんだと手に取ってみた。100ページほどだったのですぐ読めたのだが...非常に後味の悪い物語である。 サブタイ…

「続獄窓記」山本譲司

タイトルが示すとおり「獄窓記」の続編である。刑期を終え出所した山本元国会議員ではあったがソコには苦悶の日々が待っていた。人々の視線が気になり、引きこもりの日々。社会からの強烈な疎外感。社会復帰できない焦りとあきらめ。本来なら刑務所からの出…

「MM9」山本弘

MMとは「モンスターマグニチュード」の略である。度重なる怪獣の襲来を自信などと同じ自然災害ととらえ、その怪獣の規模をしめす指標だ。台風みたいな扱いだ。というわけで気象庁が管轄となり、日夜怪獣被害を最小限にするべく活躍している「気象庁特異生物…

「坂の上の雲」日露戦争で、今まで自分が誤解してたこと

ロシア革命が起こって戦争どころじゃなくなったロシアが降伏....× バルチック艦隊は間宮海峡の存在を知らず、樺太の奥に日本艦隊を封じ込めたと思っていたが、日本艦隊は間宮海峡を通り抜け悠々と本国へ逃げられた。その後、日本海軍大勝利...× 一体どこでこ…

「牙王物語」戸川幸夫

日本のシートンと称される戸川幸夫の代表作。 だが、戸川幸夫どころかシートンすら知っている人は現代にいるのだろうか?もうすっかり過去の人? 過去の人でもおもしろいモノはおもしろい!!多分気の利く古本屋ならそれなりの値段で売っているだろうし、図…

「坂の上の雲」司馬遼太郎

そういえば「読了したよ」とは日記に書いてはいたものの、感想は書いていなかったことに気がついた。何せ長い物語だからどこから書いてよいものかわからなくてねえ。まあ適当にだらだら書く。 確か何年も前からNHKでコレをドラマ化する話があったと思ったが…

「死の家の記録」ドストエフスキー

最近のマイブーム(古いな)で「刑務所もの」ってのがある。刑務所ものの世界的大名作といえばコレ。ロシア文学を代表する大作家ドストエフスキーの「死の家の記録」ついにここまで来てしまった。 というほど大げさなものではないんだよ。ロシア文学なんてみ…

「しあわせの理由」グレッグ・イーガン

久しぶりに読んだイーガン。なぜか近所の市立図書館にはイーガンの蔵書が少なく、チョット離れた分館で見つける。新潟市や長岡市の中央図書館ではほぼコンプリートしているので、三条市もそうして欲しいものだ。そうこうしているうちに結構買って読んでいた…

「ハチミツとクローバー」羽海野チカ

先日おとな買いした少女マンガだが、少女マンガというくくりでいいのかな?特に「誰向き」ってワケではなく普通に読めるようにようやくなった。それでも一気読みとは行かなくて数日かかってしまったのは、どうしても丹念に読まなければ作者に悪いかなあ〜と…